『東風吹かば にほいおこせよ梅の花
あるじなしとて 春な忘れそ』
菅原道真公が大宰府に左遷されたときに 大事にしていた 庭の梅の木に語り掛けるように詠んだ歌です。
「春風が吹いたら その匂いを大宰府までおくっておくれ、梅の花よ。わたしがいなくても春を忘れないでおくれ。」と 梅の木に語りかけている・・・。
東風があるなら 南・西・北 それぞれの風も特別な読み方があるんだろうか？
気になりませんか？ そしてね、
あったんです！
季語として使われることが多いようですよ。
南風と書いて はえ。はえには 黒南風（くろはえ）と荒南風（あらはえ）白南風（しろはえ）があります。
西風と書いてならい。
北風は あなじ。 場所によっては 西北風と書いて あなじと読みます
東南風と書いて いなさ。
（ただし その土地によっても 西風・北風の言い回しは変わったりするので コレ！と断定はできないんです。^^;）
そして東風(こち)。梅東風(うめごち)→桜東風(さくらごち)→雲雀東風(ひばりごち) 時期によって順に変わっていくようです。菖蒲東風なんていうのもあります。
東風こちは 春の風のこと。でも暖かな春の風ではなく、どうやら ちょっと冷たさが残る 春の風のイメージ。それを念頭において 菅原道真のさっきの歌をよむと 感じ方が違ってきませんか？
南風はえは梅雨の時期の風。梅雨入りのぐずついた時期に吹く風が「黒南風」梅雨のど真ん中 荒れた天気の時の南の風が「荒南風」梅雨明けの初夏の風が「白南風」なんです。
西風ならいは 春 東から吹く強い風.。
なんかね、風情がありませんか？春に吹く 東よりの風 なんていうより『こち』の方が。^m^
綺麗で風情のある 季節風の言い方ってほかにもあって、すごくイメージしやすい。頭の中にフワっと情景がうかんくるような呼び名がけっこうあるんです。
春
〇『春一番』コレは聞いたことありますよね。立春から春分なでに吹く 最初の強い南よりの風。春の訪れを告げる風。
〇『春疾風はるはやて』砂ぼこりを巻き上げて吹く 春特有の強い風。
〇『涅槃西風ねはんにし』彼岸前後に吹く 西風
〇『油風あぶらかぜ』晩春の晴天の日に吹く穏やかな南よりの風。油を流したように静かな風。
〇『東風』さきほど書きましたね。『光風こうふう』という呼び方もあり。
夏
〇『薫風くんぷう』初夏に新緑をぬって吹く さわやかな南風。
〇『青嵐せいらん・あおあらし』若葉のころのやや強い南風。『涼風りょうふう・すずかぜ』という呼び方もあり。
〇『黒南風・荒南風・白南風』⇑ 先ほど 書きましたね (;^ω^)
秋
〇『初嵐はつあらし』立春をすぎて初めて吹く強く冷たい風。
〇『野分のわき』秋のはじめに吹く暴風。台風？野の草を吹きわける風。
〇『雁渡かりわたし』雁が渡ってくる初秋から中秋に吹く北風。
冬
〇『木枯し・凩こがらし』秋末から初冬に吹く北よりの冷たい風。冬の訪れを告げる風。
〇『雪風』初冬に吹く強い風。
〇『空っ風からっかぜ』山を越えて吹きおろす乾燥した強風。群馬では有名ですよね～ ^m^「かかあ天下と空っ風」
〇『北颪きたおろし』冬に山から吹きおろす北風。山の名前がつくことが多い。赤城颪・比叡颪・・・。六甲颪もね。
〇『御請凪おこうなぎ』報恩講ほうおんこうのころの風のない穏やかな日和。コレ、わたしははじめて聞きました～( ﾟДﾟ) 報恩講 とは親鸞聖人のご命日にちなんで のご法要。 そして読んで字のごとく、風が止むことを凪といいます。
たぶん まだまだあると思います。風 一文字に、こんなにも呼び名がある。なんだか調べていて 嬉しくなりましたよ。(*^^*) 色と同じように、です。日本の伝統色は自然から生まれていて、自然って 緑も黄色の赤も1つじゃない。微妙な色のちょっとずつの違いを感じて名付けているから、それはもう 覚えきれない。緑だけでも5~60色はあるでしょう。それを緑 ひとつにまとめない！(う～ん うまく伝えられないなぁ^^;)
日本人には 風の色やにおいや強さの度合いや、そういった細かい違いがなんとなくでもわかる。そんな感性 あるんだなぁって あらためて思いました。
風を調べてたのに、なに、この結果！(;´･ω･)！って感じですが・・・でも
日本に生まれて良かった～。日本語が母国語で良かった～。
って思います。暑い夏に 風鈴の音や原っぱを吹きぬける風の音に涼しさを感じられる日本人で良かった～って。(≧▽≦)
いつもですが、話がまとまらず 申し訳ないです。ひとつのことを考えつづけられなくて、ドンドンいろんな枝葉にわかれていっちゃう！(´･ω｀･)
誰かと話していても 「ついていけない！」とよく怒られる私です（´・ω・｀）反省！
それでは・・・どんどん とりとめなくなってきちゃうので、この辺で。
お読みいただき ありがとうございました。m(__)m
